コラム > ユニットハウスの基礎の種類や工事費用、工程を解説
Column
基礎とは、建物と地面の間にある鉄筋コンクリートでできた土台のことです。
建物の重さを地中に分散させ、安定性や耐震性を保っています。
特に地震大国である日本においては、ユニットハウスを建てる際に重要視すべき箇所です。
基礎は主に「杭基礎」と「直接基礎」の2種類ありますが、ユニットハウスでは主に「直接基礎」が採用されています。
地盤に基礎を直接設置するため地盤が弱い場合は不同沈下が起きて建物が傾いてしまう恐れがありますが、ユニットハウスは軽量鉄骨構造で一般的な住宅に比べて軽いので直接基礎でも問題ありません。
直接基礎の中にもいくつか種類がありますのでそれぞれの特徴を説明していきたいと思います。
ユニットハウス購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
目次
ユニットハウスを建てる際には行政の指示に従って建築確認申請を取る必要があります。
申請後、数週間〜1か月ほどで許可が下りたら基礎工事に入ります。
ユニットハウスで使われている基礎は地盤に直接設置する「直接基礎」ですが、その中でも「ベタ基礎」「布基礎」「ブロック基礎」である事が多いです。
それぞれの特徴について一緒に見ていきましょう。
建物の重さを面で支えて地盤に分散させるのがベタ基礎です。
床下全体をコンクリートで覆うため、湿気防止や白アリ対策にもなります。
直接基礎の中でも耐震性に優れており、不同沈下が起こりにくいのが特徴です。
一方でコンクリートの使用量が多いためコストが高くなるのがデメリットとなります。
柱や壁の下に連続して基礎を作るのが布基礎です。
ベタ基礎に比べてコンクリートの使用量が少ないためコストが安く済みます。
建物を点で支えているため耐震性はベタ基礎に比べて劣ります。しかし、プレハブやユニットハウスなどの軽量鉄骨の建物は重量が軽いため、布基礎でも十分な耐久力を保てます。また、建物の床下に基礎が無い部分は土がむき出しになってしまい湿気がこもりやすいので、防湿シートや防湿コンクリートなどの施工が必要です。
ユニットハウスの四隅に平板ブロックを置くタイプの基礎です。
上記2つの基礎に比べて最も安価で、ユニットハウス設置の際に一緒に施工するので一番手間はかかりません。ですが、この工法では確認申請は取れないので注意が必要です。
ベタ基礎は建物を面で支えて荷重を分散させているので耐久面で有利かと思われますが、設置する地盤の強度によって選択が変わっていきます。
地盤が弱い場合は不同沈下を防ぐためにベタ基礎にし、地盤が強い場合は布基礎が良いと言われています。
また、ユニットハウスは布基礎が採用されることが多いです。
地震や台風などで発生する外からの力は建物の柱を通じて地面に伝わるので、柱の間の壁に負担はかかりません。
加えて布基礎は底から立上りまでの高さがベタ基礎よりあるので、上から集中的にかかる重さには強いです。
点で支える布基礎と柱の少ないユニットハウスは相性が良いのです。
POINT
防湿や害虫対策にはベタ基礎がオススメです。
耐久面に関しては設置場所の地盤によっても異なりますので、建築士の方とよく相談して決めましょう。
ユニットハウスの基礎工事費用の相場は1坪あたり4万円〜となっています。
種類や時期によって価格が変動しますので注意が必要です。
基礎工事は約1か月程で完成しますが、どのような流れで作られるのでしょうか?
地盤調査後の工程から紹介します。
着工後最初に行う作業が、建物が立つ範囲を縄やビニール紐で示す地縄張りです。
正確に行わないとズレが生じるので重要な作業です。
この作業が終わったら遣り方工事に入ります。
遣り方は仮設工事の一種で、図面をもとに木の板を用いて建物の正確な位置を出します。
位置だけでなく高さや水平の基準となる作業です。
基礎をつくる為に地盤を掘り起こして別の場所に搬出します。
「根切り工事」とも呼ばれています。
掘削工事で掘り起こした場所に砕石という細かく砕いた石を敷き詰めます。
転圧機を使って敷き詰められた砕石に上から圧力をかけ、地盤を固めます。
砕石が敷かれた上はでこぼこしていて鉄筋や型枠をキレイに組めません。
そのため、捨てコンクリートを流して下地を作ります。
また、建物の正確な位置を書き出したり、足場が整うことによって職人さんが作業しやすくなるといった目的もあります。
精密かつ効率的に進めるためには重要な作業なのです。
下地部分が出来たら基礎本体の作成に入ります。
まず、捨てコンクリートの印をもとに鉄筋を並べていきます。
コンクリートは横の衝撃に弱いため配筋をする事によって強度を高め、ひび割れ防止にもなります。
型枠(木製や金属製の板)は流したコンクリートが外に溢れてしまわないように基礎の立ち上がり部分に組み立てます。建物と基礎部分を繋ぐ金属製の部品を取り付けて、生コンクリートを流し込みます。
その後、3〜5日ほど養生をしてコンクリートが固まったら型枠を外し、ひび割れが無いか確認をして基礎の完成となります。
このように、基礎工事はユニットハウスを支えて地震や台風などから守る基盤を作る重要な作業である事が分かりました。
ユニットハウスで使われる基礎の種類や費用、工事の流れを紹介しました。
ユニットハウスは布基礎が採用されることが多いですが、設置場所の地盤によっても異なります。ハウスに合った基礎をつくる為に建築士の方としっかりと相談して決めましょう。
POINT
ベタ基礎・・・床下全体にコンクリートが敷かれた基礎です。強度が高く、防湿や害虫対策にもなります。軟弱な地盤で採用されています。費用も高めです。
布基礎・・・柱や壁の下に連続して基礎をつくります。ベタ基礎に比べて安価で、ベタ基礎と比べて耐久面が劣っていると言われがちですが、プレハブやユニットハウスなどの重量が軽い建築物を建てる場合は強度を保つことが出来ます。強固な地盤で採用されています。
ブロック基礎・・・ハウスの床下四隅に平板ブロックを設置します。価格は最も安いですが、建築確認申請が出来ないので注意が必要です。
費用・・・1坪4万円~(※時期によって異なります。)
お電話でのお問い合わせは
0120-344-888
受付時間 9:00〜17:00(日祝休)